
現代のマーケティング手法は多様化しています。それと同時に、企業や店舗が自社の商品やサービスを消費者やエンドユーザーに届ける方法もますます進化しています。その中で「効果的な広告手法」として根強い人気を誇っているのが「ポスティング」と「SNSや検索バナーなどのWeb広告」です。
紙媒体の代表格であるポスティングとデジタル媒体のWeb広告は、それぞれが独自の強みをもちます。 紙媒体にはデジタル媒体にはない強みが、そしてデジタル媒体には紙媒体に勝る良い部分があります。したがって「紙かWebか、どちらを選ぶのか?」ではなく、「紙とWebをどう使い分けるか?」あるいは「紙とWebをどう掛け合わせるのが効果的か?」と考えることが、これからの時代には必要となると言えます。
つまり「紙とWebを制する者が、今後の集客や販促を制する」ということですね。
本記事ではポスティングとWeb広告それぞれの特徴と、各々の特色を活かしながら上手に組み合わせることで生み出される“プロモーション戦略の最適化”について解説してまいります。
ポスティングとは?まずは「紙広告の強み」から再確認
ポスティングとは、チラシやパンフレットなどの紙広告を地域の住宅や事業所へ人の手で投函する広告手法です。
エリアや配布対象を絞り込めるため、地域密着型ビジネスとの相性が非常に高いという特徴があります。
ポスティングの主な強みについて
本項ではポスティングで得られるメリットや強みについてご説明します。
●地域密着・生活圏に刺さる!地域密着型アプローチに優れている
先にも少しお話ししましたが、ポスティングは配布エリアや配布地域を細かく指定することができるため、商圏内のターゲットに向けてダイレクトに訴求することができます。
事業所の開業・新店開店、事務所や店舗の移転のお知らせや、塾・教室・ジムなどの「今なら特典あり!」系のセール情報やキャンペーン告知など、「特定エリアに暮らす消費者に、今すぐ届けたい情報」の拡散方法として非常に優れています。
●視覚的なインパクトの強さと、手元に残りやすいこと
チラシはデジタルとは異なり“かたちのあるもの”です。そして内容を確認するまでには、ポストから取り出して、実際に手に取るといういくつかのアクションを経ます。実際に自分の手を動かして視界に情報を入れるため、印象に残りやすくなるというメリットがあります。それに加えて「視覚的なデザイン」や「紙の質感による訴求力」もあるため、場合によっては非常に印象的に映るはずです。
また、スマホなどの小さな画面で見るよりもチラシの方がサイズ的に大きく見やすいと感じる人や、チラシを保管する人もいるため、Webよりも長く情報が消費者の手元に残るケースもあります。
●配布エリア選定の自由度が高い
ポスティングの場合、たとえば「駅から徒歩10分圏内のファミリー層が多いエリア」「古くから住人が変わらないエリア」「新しく開発が進んだ住宅地エリア」など、配布エリアを細かく指定・選定することが可能です。ピンポイントでのターゲット戦略をたてやすいため、広告費やそこに関連する人件費など、無駄なコストを抑えることができます。
Web広告とは?デジタル広告の周知力
紙広告に続いて、Web広告について確認してまいりましょう。
Web広告とは、たとえばGoogle検索結果に表示されるリスティング広告、Instagram・X・ Facebookなどの各種SNS広告、YouTube広告などを総称した呼び名です。
デジタルがまだあまり一般的ではなかった時代にはそこまで普及しておりませんでしたが、パソコン、タブレット、そしてなんといってもスマートフォンが広く普及したことにより、今や日常生活の中に当たり前に存在する広告手法となりました。
Web広告の主な強みについて
本項ではWeb広告で得られるメリットや強みについてご説明します。
●スピード感のあるリーチと広範囲へのアプローチ
Web広告は、とにかく適当に情報を流すというものではありません。地域・年齢・性別・興味関心などのデータを活用して、その情報を届けたいターゲット層に効率よくリーチすることが可能です。インターネットをあまり活用しない人には届きにくいというデメリットもありますが、若年層やビジネスパーソンなど、オンライン上(インターネット上)に常に接続しているような層に対しては非常に有効です。
またエリアを特定せず広く拡散させたいような情報の場合、さらに効果的です。
●データを活用した分析と、それに伴う改善が期待できる
広告のクリック回数や表示回数、コンバーション率の各種データがリアルタイムで取得できるので、計画、実行、評価、改善の4つのステップから成るPDCAサイクルを高速でまわすことができます。これにより、品質管理や業務改善の分野で効率的に業務の最適化を進めることができます。
●コンテンツと連動させた、自由度の高い広告表現ができる
デジタル広告は表現の幅が大きく、ユーザータイプやコンテンツとの親和性が非常に高いというメリットがあります。たとえば動画広告やバナー広告、記事型広告(ネイティブ広告)など、ユーザーの興味関心を惹きやすいコンテンツ展開を行うことが可能です。
体験レビューや商品の紹介動画との連携を上手に取れると、PRの仕方が一気に広がるでしょう。
ポスティングとWeb広告は、どう掛け合わせるのが効果的?
ポスティングとWeb広告の両方をうまく掛け合わせることで「見てもらえる確率」「行動につながる確率」がグッと高まります。
ポスティングとWeb広告は似て非なるものだからこそ、それぞれの強みを活かすために「掛け合わせる」戦略を行うことがポイントになることは分かりましたが、では実際にどう掛け合わせるのが効果的なのでしょうか。
本項では、具体的な掛け合わせの活用例をいくつかご紹介します。
●ポスティングを導入材料にして、Web広告で詳細チェック
先にポスティングを行い、次にWeb広告へと繋げる方法です。ポスティングによるチラシの配布でオープン情報やキャンペーン情報を流し、それに興味を持った人が自発的にWebサイトやSNSへアクセスする流れを構築します。
チラシという限られた枠では伝えきれなかった情報や、動画での案内、予約フォームなどを用意しておくことで、ユーザーにアクションを起こしてもらう確率のアップや、円滑な導線づくりに繋げることができます。
●Web広告で接点をつくり、ポスティングで念押し
先にWebで広告を発信し、続いてポスティングでチラシの配布を行います。
Web広告によって「これ、見たことある」「ネットで流れていたやつだ」とユーザー認知を高めておき、次段階でポスティングを行うことで認知の蓄積と定着を目指します。
たとえば、SNSで塾や教室の情報を見かけていて、その数日後に自宅に届いたチラシを目にすると、前情報が何もない状態でチラシを見るよりも記憶に残りやすく、また興味関心を惹きやすくする効果が期待できます。
●エリア限定Web広告とポスティングのタッグ
エリア限定Web広告とポスティングを同時期に行う方法です。
Google広告やFacebook広告では、配信エリアを設定することができます。それを有効に活用し、「〇〇駅周辺」「〇〇地域」など、狙ったエリアに住むユーザーのSNSフィードに広告を流し、重ねてポスティングも行えば、認知度が高まるだけでなく、統一感のある宣伝・ブランディングとしても有用性を示すことができるでしょう。
ポスティングとWeb広告はハイブリッドで“美味しいとこ取り”するのが正解
ポスティングとWeb広告は、どちらも「選ばない」のが現代のマーケティング手法として適していると言えます。
「紙は古いし、Web広告だけでもじゅうぶん。これからはデジタルの時代だ」と言われることもあります。しかし、インターネットに馴染みのない世代、またインターネットをあまり頻繁に確認できない生活スタイルの人もいます。そのほかにも、デジタルでは補いきれない部分はどうしても出てきます。
紙には紙の、デジタルにはデジタルの良さがあるのです。これらを上手に組み合わせることで、紙単独では届かない層にも、デジタル単独では届かない層にもアプローチをかけることができます。
これからの時代のマーケティングは、「ポスティング」と「Web広告」のハイブリッド形式が基本になってくるでしょう。しかし、組み合わせや掛け合わせ方、両軸のバランスの取り方は、貴社が望む広告戦略如何でその都度変化するかもしれません。ただし貴社のブランディングにハマる広告バランスを見つけられれば、これまで以上に効果的な戦略設計を作成することができるはずです。